若松 直幸ゼミ
Naoyuki Wakamatsu seminar
演習テーマ『現代経済学の意義を過去の学説から問い直す』
演習テーマ『現代経済学の意義を過去の学説から問い直す』
本ゼミでは、現代の経済・社会問題に対する理解を経済学の歴史から深めていくことを目的とし、そのために現代・過去の経済理論と各時代の実際問題との関係について勉強しています。近年のゼミでは、J.S.ミル『自由論』やマルサス『人口論』などを輪読して、「自由」のあり方やSDGsでも取り上げられる人口と貧困問題などについてゼミ生で討論を行い、またアダム・スミスの『道徳感情論』や『国富論』を通じて、人間が他者と共感する仕組みや経済社会の成り立ちについても学んでいます。一方で、本ゼミでは経済理論の歴史に関する学習も行われるため、一年時に学習したミクロ・マクロ経済学の基礎知識を応用することもできます。したがって、歴史学だけでなく、数理経済学に興味・関心がある人にとっても良い学びの機会になると考えています。
2・3年次の具体的なゼミの進め方は次のようになります。前期は、受講生にこちらから提示する資料についてWord・PowerPoint等を用いて読解・報告を行ってもらいます。その結果、様々な資料について自分自身で正確に分析できるようになり、社会で起こりうる諸問題について経済学的視点から多様な見方ができるようになることが予想されます。このような取り組みは、官民問わず、幅広い分野で求められる課題解決力を育成し、就職活動にも役立つと思われます。後期は、個人orグループワーク形式でリサーチ活動およびその成果報告を行います。
4年次は、2・3年次に培った研究力を結集し、卒業論文の執筆・発表を実施します。
「経済学史」はあまり聞き慣れない学問分野かもしれませんが、その名の通り、「経済学の歴史」について学ぶ学問です。物理学のような他の学問と比較して、経済学はその成立からまだおよそ200年という歴史しか経過していませんが、それでもこの間に幾つもの学説が提唱されてきました。しかしながら、過去から現在までを眺めてみると、時代ごとに新しい学説が登場するだけではなく、過去の学説が形を変えて後の世に再登場することも多々確認されています。本ゼミでは、歴史上繰り返される過去の学説から手がかりを得つつ、現代経済の諸問題への理解を深めていきます。
ゼミは基本的に毎週の授業時間を通じて行われますが、そのほか、ゼミ合宿なども受講生と相談の上で実施したいと考えています。一生懸命、楽しく勉強すると共に、世の中を様々な視点で捉えられるようになりましょう!