唐 成(トウ セイ)ゼミ
Cheng Tang seminar
演習テーマ『日中経済の関わり-中国経済・日系企業の市場戦略・インバウンドによる地方創生の研究-』

演習テーマ『日中経済の関わり-中国経済・日系企業の市場戦略・インバウンドによる地方創生の研究-』
中国は「世界の市場」と呼ばれる世界第二位の消費大国の存在感が高まっており、中国市場開拓を目指す日本企業が増えています。他方の日本では、2019年の中国人観光客によるインバウンド消費が全体の40%を占めるようになり、中国人観光客の誘致に躍起しています。このように、日本企業による巨大な中国消費市場での市場開拓を展開することにしても、大勢の中国人観光客が日本を訪れることにしても、中国経済は日本経済にとって切っても切れない重要な関係になっています。
このような問題意識の下で、ゼミでは、中国経済および日系企業の中国市場戦略、そして日本における中国人観光客への誘致戦略によるインバウンド需要拡大の研究などを通じて、日中両国の Win-Winな経済関係を築いていくことの可能性を実践的に探究することを目的としています。
ゼミでの学習・研究内容は以下の 2つの課題を設定し、ゼミ生の興味によるグループ分けをします。
①中国経済は消費・内需型主導の成長モデルへの円滑な移行にあたり、解決すべき諸課題とは何かを研究。
②「世界の市場」として大きな可能性を持つ中国市場開拓において、成功している日本企業の共通の鍵とは何か、また過去の失敗事例から対中ビジネスを成功させるためには、何を学ぶべきかを研究。
①中国人観光客に対するアンケート調査を行い、ミクロデータを用いて、観光客の特徴や消費行動を明らかにし、観光ニーズの「モノ」から「コト」への多様化を捉えます。
②インバウンド需要拡大を活かした地方創生の可能性について、研究対象の地域を絞って、①の研究成果を用いて、観光誘致のマーケティング戦略を地方自治体や観光業界に対して、立案・提言します。
中国経済、社会、中国ビジネス戦略等の文献を幅広く輪読して、3年次以降への土台を構築します。サブゼミでは、観光、インバウンド需要、地方創生等に関する文献、研究を行います。春休み期間中に中国フィールドワーク調査や就業体験を実施する予定です。
中国人観光客に対するアンケート調査を実施し、テーマごとの実証研究を行い、11月のプレゼン大会に向けて研究活動をします。12月下旬に他大学とディベート交流戦を実施します。
各ゼミ生が研究の集大成として、卒業論文の作成スケジュールにしたがって、一人ひとりに対して細やかな論文指導を行います。
本ゼミでは日中の経済関係に関する研究は、単なる中国経済や日系企業の中国市場進出戦略論に関する専門知識の獲得だけではなく、日系企業のビジネスキーパーソンによる現場に即したビジネス講義をも実施しています。また、ゼミ生自らが中国人観光客に対する対面式や Wechat を利用したアンケートデータを用いて、SPSS や Stata といった統計解析用ソフトウェアも活用しながら,中国人観光客の視点を取り入れた地方創生の観光ビジネス戦略の提案を目指す実践的な研究にも力を入れています。
また、ゼミでは、毎年上海フィージビリティ・スタディ(「百聞不如一見」)調査を実施し、中国の経済社会の現状を体験しながら、日系企業のビジネス動向を把握します。さらに、上海白門会のご協力を得て、上海日系企業での短期インターンシップを実施しています。
ゼミ研究の成果は積極的に学内外で報告、発信をしています。なお、2019年度は中央大学経済研究所や銚子で市役所・観光協会など関係者に向けた銚子のインバウンド研究の報告会、経済学部ゼミナールプレゼン大会などで発表をしました。このほか、横浜国立大学木崎ゼミとの交流ゼミにおいて、ディベート対抗戦も行う予定です。
少人数ゼミならではの特徴を活かし、ゼミの研究活動を通して、論理的な思考力やプレゼンテーション、ディスカッションなどのコミュニケーション能力の向上を着実に身に着けられます。また、ゼミでは、多様な価値観と異文化理解といった能力を涵養し、グローバル社会で活躍できる人材教育にも力を入れています。