鳴子 博子ゼミ
Hiroko Naruko seminar

演習テーマ『社会思想史から近現代社会の諸問題を考える』

活動内容

社会思想史・鳴子ゼミでは、18世紀におけるルソーの社会思想およびフランス革命に関するテキストを輪読し、長い文章でも正確に文意を読み取る読解力を身につけること、レジュメの作成、報告、司会、質疑応答、討論することを学びます。さらに、個人とグループで研究テーマを自主的に選んでもらい、それぞれ研究を進めます。

演習1では、遅塚忠躬『フランス革命―歴史における劇薬』と「18世紀とジェンダー」に関する論文を学んだのち、J・J・ルソー『人間不平等起源論』を輪読します。ジュネーヴ共和国に生まれたルソーがフランスで活動した18世紀は、人間の欲求が古いしがらみから解放され力強く肯定されてゆく時代で、ポリティカル・エコノミーから近代のエコノミクスが誕生、生成される世紀です。奢侈とは何でしょう。人間の欲求はどのように肯定されてゆくのでしょうか。経済的・社会的・政治的不平等はどこまで許容、肯定されるのでしょうか。

演習2では、ルソー『社会契約論/ジュネーヴ草稿』と鳴子博子『ルソーの政治経済学―その現代的可能性』を輪読します。事物の根源に遡って問題の本質に迫る古典の魅力に触れるとともに、経済発展と格差や貧困の問題、本物の民主主義とは何か、なぜ戦争はなくならないのか、なかなか進まないジェンダー平等の問題など現代の私たちの抱えるさまざまな課題を考える手がかりを発見します。

3年間の大まかな流れは次のようになります。社会科学の基礎を学ぶ中で、個人で学びたいテーマとともにグループで追究したい問題を考えてもらい、個人研究と共同研究を車の両輪のように進めます。個人研究・共同研究のテーマは社会思想に関する研究あるいは現代の諸問題の追究のなかから、それぞれの問題関心に即して絞り込んでください。
個人研究は、演習1と演習2の学年末に個人論文(ゼミ論)をまとめたゼミ論集を作成し、演習3で4年の1月に演習論文(卒業論文)を提出し、完結させます。論文はいきなり書けるものではないので、質量ともに各学年で少しずつレヴェルアップさせましょう。
共同研究は、演習1の後期に共同研究のテーマ探し、グループづくりを開始し、演習2の後期まで共同研究を進め、3年秋の学内プレゼンテーション大会での発表に臨みます。共同研究では、選んだテーマにもよりますが、座学のみならず、自治体・企業・NPO等へのヒアリング(フィールドワーク)が必要になるかもしれません。

演習3で演習論文(卒業論文)を書くことは「大学生が大学生となる行為」だと思います。プレゼンテーション大会の発表や3年次のゼミ論で満足してしまうのではなく、ゼミ生全員が卒論完成というゴールを目指してほしいと思います。

ゼミ紹介

鳴子ゼミでは、同学年の横のつながりを大切にするとともに、他の学年との交流の機会を設ける意味でも、夏と春に2~4年生合同のゼミ合宿を行っています。直近2年は高尾山口で実施しました。コロナ禍以前は、軽井沢、石和温泉、日光鬼怒川などで行いました。楽しく真剣に、活発なゼミをみんなでつくってゆきましょう!!

教員プロフィール
研究者情報データベース

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