杜崎 群傑ゼミ
Gunketsu Morisaki seminar

演習テーマ『国際政治史――中国の近現代政治史を中心に』

1.杜崎ゼミの研究テーマについて

(※外国語の部門になっていますが、杜崎ゼミは中国の近現代政治史を中心に、国際政治史について学習していくゼミです)

突然ですが、みなさんは「国際政治史」と聞いてどんなイメージを持ちますか?ともすれば、少し硬派な学問をイメージしたのではないでしょうか。「国際政治史」とは、政治学・歴史学・国際政治学を組み合わせた学問です。学問にはそれぞれ存在意義がありますが、「政治学」は政治を学ぶことによって国民一人ひとりの幸せを探求する学問、「歴史学」は過去を知ることによって未来への糧とする学問と言っていいでしょう。では、これらに「国際」という視点を組み合わせた「国際政治史」が追究するものとは何でしょうか。それは、国家や社会がなぜ対立し、ときに協力してきたのか、その歴史的背景を理解することによって、現在の国際社会が抱える問題を考察し、より平和で豊かな世界を実現するための手掛かりを探求することなのです。

ただし、それを研究するには、ゼミ単位ではさすがに規模が大きすぎます。そこで、私の専門でもある中国の近現代政治史を手掛かりに、こうした大きな課題についても思いを巡らせる。それが杜崎ゼミの究極的な目標です。したがって、杜崎ゼミでは、皆さんがこれまで経済学部で培ってきた(これから培う)知識と、本ゼミで学ぶ歴史・国際政治の知見を組み合わせながら、自ら疑問を持ち、問いを立て、他者との議論を通じて現在世界で起こっている様々な問題について広く考察し、より平和で豊かな世界を実現するためには何ができるのかを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

2.杜崎ゼミで得られる3つのギフト

これから受講する皆さんは、杜崎ゼミ8期生となります。これまでの1~7期生を見てきた経験上、杜崎ゼミで3年間、一生懸命学び、活動することで、以下の3つのギフトを手に入れることができるはずです。

1.国内・海外でのフィールドを通した学習:自分の目で現場を見るという経験

杜崎ゼミでは国内や海外に経済学部の制度を使って研修旅行に行く予定です。短い期間ではありますが、一度自分の目で国内の別の地域や海外を見ておくと、自分が想像していたこととは違った現実など、多くの新たな知見を得ることができます。まさに「百聞は一見に如かず」です。そして国内や海外で研修をすることは、たんに現地の実情を知るだけではなく、その人自身の視野を広げ、様々な角度から物事を考察することにつながります。自分にとって当たり前だと思っていたことが、別の地域や社会では当たり前ではないと気づく。そうした経験を積み重ねることで、物事を多角的に捉える力を養い、人としても成長することができるでしょう。これが杜崎ゼミに入ると得られる1つ目のギフトです。

2.「言葉」を操るスキル:教養を身につけ、自分の言葉で考え、伝える力

かつて哲学者のウィトゲンシュタインは「私の言語の限界が私の世界の限界を意味する」と言いました。ここでいう「言語」は「教養」と読み替えることもできるでしょう。自分の持つ知識や教養が豊かになれば、物事を見る視点も広がり、自分の考えを表現するための「言葉」も豊かになると思いませんか。
まさに杜崎ゼミはこの「言葉」=「教養」を鍛えるゼミです。杜崎ゼミでは2年次には本をたくさん読みます。しかもただ読むだけではなく、レジュメを作成し、指定された時間内で要約してプレゼンしてもらいます。その他のゼミ生は同じ部分を読んだ上で、疑問に思ったことや、さらに考えてみたいことを質問として提示します。これに対して発表担当の班は、リサーチを行い、確かな論拠に基づいて回答を行います。こうした一連の作業を繰り返すことで、発言力やディスカッションのスキルを磨くだけでなく、様々な知識や教養を身につけていきます。

昨今、ともすればプレゼン能力のみが注目されがちな風潮があります。しかし、中身のあるプレゼンを行うには、その背景に十分な知識や教養がなければ説得力を持ちません。大切なのは、単に流暢に話すことではありません。自分の考えを支える知識を身につけ、他者の意見に耳を傾け、根拠に基づいて自らの考えを表現することです。そして、ほとんどのみなさんは、将来「言葉」なしに仕事をすることは不可能でしょう。法律ももとはと言えば文字=「言葉」ですし、その法律を作る政治も、言論――これも「言葉」――を通じた議論によって成り立っています。つまり、皆さんは将来、「言葉」をもって他者と協働し、様々な課題に取り組んでいくことになるでしょう。その際、自分の持つ教養に限界があれば、言葉にも、物事を考える視野にも限界が生じてしまいます。
それは、単にプレゼンや議論が上手になるということではありません。物事を深く考え、他者の意見を理解し、自分の考えを伝えられる人間へと成長するということです。AIが発達した現代だからこそ、豊かな知識や教養をもとに自ら問いを立て、情報を吟味し、自分の言葉で考えを表現する力がますます重要になっています。
杜崎ゼミでは歴史や政治という、一見すると将来役に立たなそうなことを研究対象としています。しかし、そんな研究対象であっても一生懸命学習することで、「教養」を身に着けることができ、結果的に「言葉」を磨くことができる、つまり人としての成長につながります。これが杜崎ゼミで手に入れることができる2つ目のギフトです。

3.これだけは一生懸命勉強したと言える経験と共に切磋琢磨しあえる「同志」

杜崎ゼミはサークル活動、部活動、アルバイトなど、その他勉学以外の活動を排除しません。むしろ大学生活を充実させてほしいので、ゼミの勉学と同時に日常の活動も一生懸命やってほしいと思っています。ただし、サークル・部活・アルバイトは勉学ができない言い訳にはなりません。勉学は勉学でしっかり研鑽を積んでもらいます。「これだけは一生懸命勉強した」と胸を張って言える経験を、3年間かけて積み重ねてほしいのです。それをやりきったという実績は、自信につながります。その自信は、皆さんが将来様々なことに挑戦するときの支えとなるでしょう。もちろん、就職活動で「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」を語る際にも、大きな説得力を持つはずです。

ただし、それを1人でやり遂げるのは簡単ではありません。しかし、ゼミには共に励まし合い(たまには愚痴り合い?笑)、切磋琢磨できる仲間がいます。そして、ここでいう仲間とは、必ずしも自分と気の合う人間ばかりではありません。ゼミには、異なる価値観や個性、得意分野を持った学生が集まります。議論の中で意見が対立したり、ときには衝突したりすることもあるでしょう。しかし、だからこそ、自分とは異なる考え方に触れ、自分自身を見つめ直し、他者と協力することの難しさと面白さを学ぶことができるのです。ゼミへの貢献の仕方も人それぞれですが、それぞれが自分の強みを活かし、同時に自分の弱さとも向き合いながら、一つのゼミを作り上げていくこと、そうした経験を3年間積み重ね、共に困難を乗り越えた仲間は、何物にも代えがたい「同志」となるでしょう。
これが杜崎ゼミで手に入れることができる3つ目のギフトです。

3.杜崎ゼミが大切にすること――「自由と責任」

いかがでしょうか。いずれのギフトも、皆さんの人生にとって大きな財産になると思いませんか?
これらのギフトは、結果的に就職活動などでも役立つはずです。実際、これまで杜崎ゼミで一生懸命頑張った学生たちは、それぞれが納得できる進路を切り開いてきました。もっとも、個人的には、何でもかんでも就職活動のために勉強するという考え方はあまり好きではありません。大学で学ぶことの価値は、就職活動のためだけにあるのではないからです。そして、こうしたギフトは簡単に手に入るものではありません。時間をかけて学び、考え、ときには失敗しながら努力を積み重ねることで身につく力だからこそ、大学を卒業した後も長く皆さんを支えてくれるはずです。

そこで杜崎ゼミでは、「やるときは全力でやる」「遊ぶときは全力で遊ぶ」ということをモットーに、メリハリのあるゼミ活動を目指します。以上のことから、杜崎ゼミでは基本的にGPAを選考の判断材料とはしません。また、中国語の履修経験も問いません。最初から優れた能力を持っている必要はありません。杜崎ゼミが大切にするのは、「自由と責任」です。皆さんには、大学生活の中で様々なことに挑戦する自由がありますし、どのゼミで何を学ぶかを選ぶ自由もあります。しかし、自らの意思で杜崎ゼミを選んだ以上は、自分の学びに責任を持つと同時に、共に学ぶ仲間に対しても責任を果たしてほしいと思います。ゆえに、私が重視するのは、これから何を学びたいのか、そしてゼミという共同体の中でどのような役割を果たそうとするのか、という姿勢です。ですので単に「コミュ力」が高い学生ばかりが集まるゼミを理想とはしていません(もちろんそうした学生に存在も重要です!)。異なる個性や能力を持った学生たちが、それぞれの強みを持ち寄り、ときにはぶつかり合いながら、互いに成長できるゼミを目指しています。

4.最後に――本気で学ぶことの面白さ

ゼミは、教員が一方的に知識を与える場所ではありません。学生同士、教員と学生が学び合い、刺激し合い、ときにはぶつかり合いながら、共に作り上げていく場所だと私は考えています。もちろん、私自身も皆さんと共に学び、成長していきたいと思っています。3年間のゼミ生活は、決して楽なことばかりではないでしょう。しかし、だからこそ得られるものがあるはずです。
ぜひ皆さんも、杜崎ゼミで「本気で学ぶことの面白さ」を味わってみませんか。

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