前川 一貴ゼミ
MAEKAWA Kazuki seminar
演習テーマ『ドイツ語圏の思想』
演習テーマ『ドイツ語圏の思想』
学生が主体的に卒論制作を進めていくゼミです。教員が研究の進め方を具体的に指導できるように、授業のなかでテーマ設定や一次文献の分析、先行研究の調査、卒論の章立てなどに取り組んでもらいます。
1年目(2年次)
まず研究テーマを設定します。そのあと一次文献を調査し、前後期に講読するテクストを決めます。授業では、担当の学生が要旨を発表し、教室で議論します。
2年目(3年次)
前期は先行研究を調査し、重要な研究書・論文を見つけて講読します(担当の学生はレジュメ作成・要旨発表)。後期は授業内で準備を進めたうえで、最後に構想発表(先行研究の問題点、テーゼ、結論、章立て)を行います。
3年目(4年次)
後期に卒論の執筆に取り組みます。授業のなかで実際に書いてもらうことで、注の付け方や参考文献の作り方だけでなく、タイトルの付け方や段落構成、日本語表現まで指導します。
「思想」という言葉を聞くと、私たちの生活と無縁なように思われるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。家族を例に取って考えてみます。結婚するのかどうか、夫婦は共働きにするのか、子どもはどうするのか、これらの行動は社会構造によって条件づけられている一方で、いずれかを選択する際には必ず価値判断が伴います。つまり私たちは生きていくうえで、あまり意識はされないにせよ、物事をどのように理解し、何を重要だと考えるのかという問いに答えていかなければならないのです。それは家族のような具体的な事柄だけでなく、世界、社会、人間などの抽象的な概念にも当てはまります。まさに思想の重要性は、私たちの生活とあまりに身近すぎるために気付かれにくいのです。
そこでこのゼミでは、ドイツ語圏の思想家や思想的テーマを研究してもらいます。この地域には、カント、ヘーゲル、ニーチェ、マルクス、ハイデガーなど有名な人物が数多くいます。大まかに言えば、存在や善悪の根本原理を突きつめる、あるいは歴史的生成を理論的に体系づける特徴があるものの、そこには収まらない思想家もたくさんいます。戦後は戦争の「記憶」(ナチズムやアウシュヴィッツ)や環境思想(現代の自然観、次世代への責任)についても盛んに議論されました。このようなドイツ語圏の思想に取り組むことで、普段日本で生活していると意識されない精神的側面に気付かされるはずです。