林 光洋ゼミ
Mitsuhiro Hayashi seminar
演習テーマ『発展途上国の経済・社会を学ぼう!』
演習テーマ『発展途上国の経済・社会を学ぼう!』
発展途上国の経済・社会について調査・研究を行なっています。具体的には、開発経済学、開発学、経済発展論、国際協力論などの学問分野が中心になります。
発展途上国の実態を把握し、開発の阻害要因あるいは促進要因を理解するためには、学問間の壁を乗り越えて考える柔軟な姿勢が必要であると同時に、拠って立つ基本的な考え方の枠組みを身につけることも重要です。また、開発分野は、他の分野以上に現場の感覚を併せ持つことが求められます。そこで、本演習は、開発経済学(Development Economics)に軸足を置きつつ、経済学だけでなく、政治学、法学、経営学、社会学、教育学、保健学、理学、工学、農学等の学問体系を学際的に駆使する開発学(Development Studies)の枠組みも借りながら、研究の対象を経済面に限定せず、教育、保健・医療、ジェンダー、環境等の社会・環境面へも広げ、幅広い分野の開発問題を扱っていきます。
具体的には、2年生からの3年間を通して、以下の分野を中心に学習・研究する予定です。
文献からの知識獲得に加えて、開発の専門家への接触・インタビューを通じて教室と現場をつなぐ授業を試みます。
ゼミ員の希望の強さ、やる気の大きさ、学習到達度、準備の程度等に応じて、途上国でのフィールド調査の実施(3年次の夏に2週間)を検討します。頭だけではなく、体でも途上国の経済・社会、国際協力を理解することが重要です。
このゼミはチームワークを大切にしています。学年内はもちろん、通常、2年生から4年生までの学年を超えた関係、FLP国際協力プログラムの林ゼミとの関係を緊密にするよう努めてもらいます。在学生間の関係に加えて、OG・OB会を通じて、卒業生と交流の機会を作り、社会に出るための準備もしてもらいます。
林ゼミでは、援助実施機関、調査・研究機関、民間企業、NGOs、他大学等との交流を通じて、開発の実践的体験を経験することができるように工夫します。これまで、UNDP(国連開発計画)、UNIDO(国連工業開発機関)、WFP(国連世界食糧計画)、世界銀行、ADB(アジア開発銀行)、IDB(米州開発銀行)、外務省、JICA、日本国際協力センター(JICE)、日本赤十字社、日本ユニセフ協会、国際開発センター、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、日本経済研究センター、国立国際医療研究センター・グローバルヘルス政策研究センター、日本グローバル・イニシアティブ協会、A&Mコンサルタント、JIN、日本国際ボランティアセンター(JVC)、シャンティ国際ボランティア会、アジア・コミュニティ・センター21(ACC21)、第三世界ショップ、ICAN、LIFE(地球の友と歩む会)、LOOB JAPAN、オン・ザ・ロード、味の素、日揮、東洋エンジニアリング、IHI、三井物産、双日、電通、アクセンチュア等さまざまな機関、団体、企業からゲストを招いて講義や指導をしてもらっています。
2024年度は、フィリピンを訪問し、①ストリートチルドレンの精神的自立とNGO支援、②サリサリストア店主向け経営教育と経営改善、③メトロマニラにおけるストリートベンダーの組織化を通じた社会的地位向上、④インフォーマル居住地域における住民参加型コミュニティ開発プロジェクトをテーマにした4つのチームで現地調査を実施しました(過去、インドネシア、フィリピン、ラオスを訪問)。この研究プロジェクトは、調査対象国の選定から、研究分野の設定、研究計画の立案、訪問先(調査対象)へのアポイントメント取得、ロジスティクスの手配、論文執筆まですべてのことを学生たち自らが行ないます。
さらに、このような研究プロジェクトの結果や経験を、訪問授業を通じて、高校生や中学生に伝える活動も行なっています。ゼミで学んだこと(インプットしたこと)を社会に還元する(アウトプットする)必要性を学生たち自らが感じ、この訪問授業を2011年度以降続けています。
FLP国際協力プログラムと経済学部の林ゼミは、白門祭、生協のフェア、講演会等を通して、フェアトレードの普及、啓蒙・啓発に努めています。2016年度以降、日本ユニセフ協会と協力して、共同講演会や募金ボランティア活動を実施しています。このようなゼミ活動を積極的に行なってきたOG・OBは、外務省、JICA(JICA海外協力隊を含む)、日本赤十字社、国際機関、NGOs、三井物産、トヨタ自動車、NHK、海外の大学院等へ進んでいます。