林 光洋ゼミ
Mitsuhiro Hayashi seminar

演習テーマ『発展途上国の経済・社会を学ぼう!』

発展途上国の経済・社会について調査・研究を行なっています。具体的には、開発経済学、開発学、経済発展論、国際協力論などの学問分野が中心になります。

活動内容

発展途上国の実態を把握し、開発の阻害要因あるいは促進要因を理解するためには、学問間の壁を乗り越えて考える柔軟な姿勢が必要であると同時に、拠って立つ基本的な考え方の枠組みを身につけることも重要です。また、開発分野は、他の分野以上に現場の感覚を併せ持つことが求められます。そこで、本演習は、開発経済学(Development Economics)に軸足を置きつつ、経済学だけでなく、政治学、法学、経営学、社会学、教育学、保健学、理学、工学、農学等の学問体系を学際的に駆使する開発学(Development Studies)の枠組みも借りながら、研究の対象を経済面に限定せず、教育、保健・医療、ジェンダー、環境等の社会・環境面へも広げ、幅広い分野の開発問題を扱っていきます。
具体的には、2年生からの3年間を通して、以下の分野を中心に学習・研究する予定です。

  1. 開発経済学:開発経済学の基礎と潮流
  2. 貧困と格差:貧困・格差の現状・原因・削減策、経済成長・貧困・格差の関係、貧困とマイクロファイナンス
  3. 産業開発と海外直接投資:農業・農村開発、工業開発、経済発展と中小企業開発、貿易と海外直接投資、CSR、BOPビジネス、ソーシャル・ビジネス、インクルーシブ・ビジネス
  4. 社会開発:教育、保健・衛生・医療、人口問題、ジェンダー問題
  5. アジアの開発経験:日本の開発経験、アジア発展途上国の開発経験、アジアの開発経験とアフリカ
  6. 環境と開発:環境・資源・エネルギーと開発
  7. 国際協力:ODA、国際機関、NGOs、民間企業の国際協力、MDGs/SDGs、フェアトレード

文献からの知識獲得に加えて、開発の専門家への接触・インタビューを通じて教室と現場をつなぐ授業を試みます。

ゼミ員の希望の強さ、やる気の大きさ、学習到達度、準備の程度等に応じて、途上国でのフィールド調査の実施(3年次の夏)を検討します。頭だけではなく、体でも途上国の経済・社会、国際協力を理解することが重要です。

このゼミはチームワークを大切にしています。学年内はもちろん、通常、2年生から4年生までの学年を超えた関係、FLPの林ゼミとの関係を緊密にするよう努めてもらいます。在学生間の関係に加えて、OG・OB会を通じて、卒業生と交流の機会を作り、社会に出るための準備もしてもらいます。

ゼミ紹介

林ゼミでは、援助実施機関、調査・研究機関、民間企業、NGOs、他大学等との交流を通じて、開発の実践的体験を経験することができるように工夫します。これまで、UNDP(国連開発計画)、UNIDO(国連工業開発機関)、WFP(国連世界食糧計画)、世界銀行、ADB(アジア開発銀行)、IDB(米州開発銀行)、外務省、JICA、日本赤十字社、日本ユニセフ協会、国際開発センター、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、日本経済研究センター、国立国際医療研究センター・グローバルヘルス政策研究センター、日本グローバル・イニシアティブ協会、A&Mコンサルタント、JIN、シャンティ国際ボランティア会、アジア・コミュニティ・センター21(ACC21)、第三世界ショップ、ICAN、LIFE(地球の友と歩む会)、LOOB JAPAN、オン・ザ・ロード、日揮、東洋エンジニアリング、IHI、三井物産、双日、電通、アクセンチュア等さまざまな機関、団体、企業からゲストを招いて講義や指導をしてもらっています。

2023年度は、フィリピンを訪問し、①フードバンクの情報共有と在庫管理機能、②アグロフォレストリーと農民組織、③コミュニティ防災をテーマにした3つのチームで現地調査を実施しました(過去、インドネシア、フィリピン、ラオスを訪問)。この研究プロジェクトは、調査対象国の選定から、研究分野の設定、研究計画の立案、訪問先(調査対象)へのアポイントメント取得、ロジスティクスの手配、論文執筆まですべてのことを学生たち自らが行ないます。

さらに、このような研究プロジェクトの結果や経験を、訪問授業を通じて、高校生や中学生に伝える活動も行なっています。ゼミで学んだこと(インプットしたこと)を社会に還元する(アウトプットする)必要性を学生たち自らが感じ、この訪問授業を2011年度以降続けています。

FLPと経済学部の林ゼミは、白門祭、生協のフェア、講演会等を通して、フェアトレードの普及、啓蒙・啓発に努めています。2016年度以降、日本ユニセフ協会と協力して、共同講演会や募金ボランティア活動を実施しています。このようなゼミ活動を積極的に行なってきたOG・OBは、外務省、JICA(青年海外協力隊を含む)、国際機関、NGOs、三井物産、トヨタ自動車、海外の大学院等へ進んでいます。

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林ゼミ現役学生によるフェアトレード団体を招いての講演会 林ゼミ現役学生による高校生向け模擬授業 林ゼミOBによるカーボンニュートラル関連の特別授業(日本鉄鋼連盟) 林ゼミOGによる国際協力事業の特別授業(JICA) 林ゼミOBによるインド分散電源事業の特別授業(三井物産) 林ゼミ現役学生によるユニセフとのコラボ事業 林ゼミOGによるアフリカ関連の特別授業(開発コンサルタント) 林ゼミOBの紹介(外務省) 林ゼミOBの紹介(コマツ、中小企業診断士、JICA海外協力隊)
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