八田 幸二ゼミ
Kouji Hatta seminar
演習テーマ『現代の政治・経済思想 ―「政府」の果たすべき役割をめぐって― 』
演習テーマ『現代の政治・経済思想 ―「政府」の果たすべき役割をめぐって― 』
20世紀の後半からイギリスやアメリカ、そして、わが国でも規制緩和や公営企業の民営化をスローガンに「小さな政府」の実現が目指されてきました。他方では、政府は自由市場へ積極的に介入して失業や経済的格差を是正し、安定的な経済社会の実現を目指すべきだとも主張されてきました。
私たちは、こうした考えの対立をどう理解すれば良いのでしょうか。「小さな政府」と「福祉国家」のどちらが良いのでしょうか。このゼミでは、こうした現代の政府の果たすべき役割に関する問題を「数式」や「グラフ」を使った経済理論ではなく、私たちが日常使用している「言葉」で表現された現代の政治・経済思想の研究を通じて検討しています。このゼミでは、数百年前の古い政治・経済思想ではなく、20世紀から今世紀にかけての新しい政治・経済思想を学んでいきます。例年、ゼミのテーマが政府や公的機関の役割に関するものですので、ゼミ生は公務員志望者が多くなっています。
毎週のゼミ授業では、ゼミ生の皆さんと相談して選んだテキストを輪読形式で検討し、ディスカッションを行ないます。具体的には、「報告者」や「司会者」を決めて内容について話し合いをしています。そして、ゼミでの報告は、ゼミの開始時期に受講する講習会で習得した「パワー・ポイント」を使用して行なわれます。もちろん、毎回のゼミは、ゼミ生の人数を考慮して一人だけに負荷がかかり過ぎないようにしながら進められますので安心してください。
具体的には、このゼミでは、現代の政治学者や経済学者の主張する「正義」や「平等」、「自由」の内容を学び、ゼミ生の皆さんがそれぞれ自分なりの考えをもつために自分以外の他のゼミ生と話し合いを重ねていきます。特に、このゼミでは、ゼミ生の皆さんの「ディスカッション能力」の向上に力を入れています。現在、役所や企業が求めているのは、単に「プレゼンテーション」が上手いというだけではなく、他者とコミュニケートして有効なディスカッションができる人材へと変わっています。有意義なディスカッションを行なうためには、他者の意見を的確に把握し、自分の意見をわかりやすく表現して正確に相手へ伝える能力が必要です。しかし、そうした能力は、場数を踏まなければ手に入れられるものではありません。このゼミを、そうした経験を積む場所として活用して欲しいと思っています。
公務員や中・高の教員、銀行員や証券マンなどを目指す人にとって、経済や社会のあり方に関する自分なりの意見をもち、それを他者へ伝えることができるようになることはとても重要なことです。なぜなら、「就職活動」の面接で現代の政治・経済に対する意見や卒論などのゼミでの研究内容を問われたとき、はっきりと論理的に答えることができれば高く評価されるに違いないからです。古いものではなく、現代の政治・経済思想を学んでおけば、役所や企業での面接の際に理解されやすいことは言うまでもありません。
ディスカッションの「経験不足」や「引っ込み思案」が原因でうまく自分の意見をアピールできないというのでは、明らかに損です。人生を左右する「就職活動」の面接で、ゼミでの研究内容を問われることもあるでしょう。また、「就職活動」中に他大学の学生とのグループ・ディスカッションに参加して自己アピールしなければならない場面もきっとあるに違いありません。そんなとき、ゼミでの経験を活かして正々堂々と議論できる、そんな学生に当ゼミの皆さんにはなって欲しいと思っています。
毎回のゼミの授業の成果として、加入時にはシャイだったゼミの先輩たちの多くは、厳しい「就職活動」を勝ち抜いて公務員や中・高の教員、銀行員や証券マンになっています。自分のことを「引っ込み思案」で「おとなしい」と思っている皆さん、ぜひこのゼミで一緒にがんばっていきましょう。
毎週の授業以外では、ゼミ生の皆さんの提案によって「懇親会」、「レクリエーション活動」、そして、「ゼミ合宿」などを行ないます。強制ではないのですが、それらを行なうことで親睦を深めることができると思います。また、日本学生経済ゼミナール主催の討論大会(インナー大会やインター大会)へも積極的に参加して欲しいと思っています。
当ゼミでは、他のゼミ生と仲良くできる人でありさえすれば、経済学に関する「予備的知識」のあるなしは一切問われません。当ゼミには、ゼミでの勉強と公務員試験や教員採用試験の勉強とを両立させた多くの先輩がいます。毎年、ゼミのために公務員試験や教職単位の勉強時間が少なくなるといったことがないように配慮しています。一般の企業に入りたいと思っている人はもちろんですが、公務員や中・高の教員になることを目指している人も大歓迎です。少しでもこのゼミのテーマに興味をもってくれた人は、入ゼミにトライしてみてください。