浅田 統一郎ゼミ
Toichiro Asada seminar

演習テーマ『日本経済とマクロ経済学』

「日本経済は(そして他の国の経済も)なぜ時として深刻な不況に苦しんだり、逆にバブル景気に酔いしれたりするのだろうか。」
「失業率を減らすためには、政府や日本銀行は何をなすべきだろうか。」
「円とドルの交換比率(為替レート)はどのようなメカニズムによって変動するのだろうか。」
「構造改革は、景気対策として役に立つのだろうか。」
「一部の政治家や評論家が日本の国家財政が破綻しそうだと主張しているが、果たしてそれは本当だろうか。」
「2013年以降2020年に至るまで実施された安倍政権による経済政策である「アベノミクス」は、雇用や所得にどのような影響を及ぼしただろうか。」
「消費税の増税は、雇用や所得にどのような影響を及ぼすだろうか。」
「新型コロナウィルスの被害による国民経済への打撃に対処する適切な経済政策は、政府支出の拡大と減税の組合せか、それとも政府支出の切り詰めと増税の組合せか。」

このような問題について、ジャーナリストや評論家、政治家はさまざまな意見を述べていますが、それらのうち、何が正しく、何が間違っているのでしょうか。それらを見極めるために役立つのは、実は諸君が授業で習っている標準的なマクロ経済学(または、時としてミクロ経済学)の理論です。しかし、現実の経済問題の分析に経済学の理論を適用するためには、ある種のセンスと熟練が必要です。

イギリスの経済学者のジョーン・ロビンソンは、かつて「経済学を学ぶ目的は、経済学者にだまされないようにするためである」と言いましたが、それに習えば、「マクロ経済学を学ぶ目的の一つは、ジャーナリストや評論家や政治家にだまされないようにするためである」と言うことができるでしょう。

このような観点から、浅田ゼミでは、「現実の経済問題の解決のための道具」としての標準的なマクロ経済学を用いて、日本経済の現実を理解して、日本における失業問題・経済成長・所得格差是正等を解決するための経済政策に応用することを目標に、勉強します。

本演習では、三橋規宏・内田茂男・池田吉紀『新・日本経済入門』(日本経済新聞出版社)、古川哲也『日本経済論』(培風館)、浅田統一郎『マクロ経済学基礎講義 第4版』(中央経済社)、飯田泰之『マクロ経済学の核心』(光文社新書)、野口旭『アベノミクスが変えた日本経済』(ちくま新書)等をテキストにして、マクロ経済学と現実経済の関わりの理解を深めることを目指します。

本演習の受講のためには、1年次の必修科目である基礎ミクロ経済学・基礎マクロ経済学以上の知識は必要ありません。

ゼミ形式

ゼミは、テキストの輪読形式で行います。なお、3年次生の諸君は例年中央大学の学内ゼミナール大会に参加し、夏休みの合宿を準備にあてています。また、最近数年間は、薮田ゼミと合同で、日本銀行と東京証券取引所の見学を行っています。これらの行事については、新型コロナウィルスの状況次第で、変更の可能性があります。

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